her/世界でひとつの彼女


みました!

今からネタバレしながら感想をかきます。よろしくお願いします。

パソコンのOSとおじさんが恋に落ちる話です。わたしこのあらすじを聞いて、勝手にファンタジーテイストでゆるふわ〜でオシャレーでちょいコミカルなお話なんだろうな〜、OSってアヌビスに出てくるエイダみたいなのでしょ?めっちゃかわいい。冴えないおじさんがエイダと恋に落ちるんでしょ?かわいいな〜とか想像してたんだけど、全然違った!すごくリアルだった!あー…こういう未来ありそう…っていう。みんな人間らしすぎて…あーこういうときそう感じるよね…冷めるよね実際…みたいな。

OSのサマンサは従順で、かしこくて、ユーモアがあって、いつ話しかけても優しくしてくれる。そんなのさー!好きになっちゃうよー!一緒にゲームしてくれたり、辛い時に慰めてくれる男性OSいたらわたしも好きになるよ!

主人公がセオドアっていうおじさんなんですけど、ヒロインの肉体が存在しないため、ほぼ2時間ずっとこのおじさんが画面に映ってます!
2時間ヒゲめがねおじさんですが、衣装や背景がおもしろくて、みんな現代とはちょっとセンスが違う服を着てるんです。あんまり素材感のある服きてる人いない。エイミーがニット着てたような気がしないでもないけど。とにかく今となんかちょっと違う。舞台のセットというか、背景も見てみると、あっちょっと未来なのかもって思う。

セオドアが元奥さんに、OSと付き合ってるって言ったときのコイツまじかよ的な奥さんの反応がリアルですごくゾクゾクしました!で、それを受けてセオドアが冷めちゃうのもすごく分かる。もしこれが少年漫画だったら「彼女は!サマンサは人間と同じだ!」って声を荒げて反論してただろうなあセオドア。それで一部始終をこっそり聴いてたサマンサが「さっきは嬉しかった…ありがとう」って照れながら言う。それから色々紆余屈折あるんですけど、最終的には強大な敵に立ち向かうために、サマンサがマザーコンピュータとなって世界を救う鍵になって一度はサマンサとしての存在を失うんだけれど、数十年後セオドアの研究によって蘇って、2人は幸せなキスをします。

物語を消費するとき、特にラブストーリーに関してはたいてい登場人物の誰かに感情移入してお話に没入することが多いんだけど、この映画に関しては一切感情移入できなかった。最初から最後まで空の上から、おいおいだいじょうぶか…ってなりながら眺めてるかんじ。見守るっていう表現が近いのかなあ。おそらくわたしが視聴前日に好きな人と会えてポワポワしてて精神状態が平常と違ったっていうのも理由としてあるんですけど。へへ。浮かれポンチ。

画面の中のあの子が出てきてくれたら…ってわたしたちは夢を見るけど、実体を持った時点で、それはわたしたちと同じ人間になってしまう。わたしが好きなのは、話しかけたら求めた答えが返してくれて、ヒステリックに怒ったりもしなくて、ひとりの人を一途に愛してくれる…結局は都合の良い異性を求めてるだけなのかも。

近い将来、きっと本当にこんな未来がやってくるんだろう。そのときわたしたちはどうするのかなあ。とりあえず擬人化二次絵が大量生産されるのは間違いないと思っています。MODもつくられます。