本を読まない犬

本、読まなくなったなあ。

漫画は読むけど、文字だけのやつはもう数年読んでない気がする。

元々たぶんそんなに好きじゃなかったんだよな。両親二人が読書家だから家に本はたくさんあったけれど、蔵書に手を出した記憶がない。

じゃあなんで読んでたかって、親が喜ぶんだよね。わたしが本読むと。当時は無意識にそういう行動とってたけど、今振り返れば完全にポーズだなあ、あれは。

思春期になる頃には読書する理由がまた変わってきて、何者かになりたくて必死だったんだろうなあ。無理して海外SFとか読んでたよ。表紙とタイトルがかっこいいんだもん。

そんなよこしまな理由だからさ、人生を揺るがすほどの読書体験は得られなかったけど。でも読み始めれば面白かったし、ちゃんと自分の中に積み重なって残ってるんだよな。そのときには分からなくても、後になって分かることもあるし。中学生のときに張った伏線を20年後になって回収することなんてザラだ。

心の柔らかい時期にはとにかくいろんな作品を浴びたほうがいいな、世間で良いとされてるものも悪いものも。

タイタンの妖女とか、当時はよくわかんねえけどすごいもん読んだな〜って読後感だったけど、あれは人生そのものじゃーんと今は思う。

なんて、達観したフリしても相変わらず虚勢ハリハリカッコツケマンなのは変わらないけどなあ。人の目ばっかり気にして〜。でも昔と比べたら随分生きやすくなったよ。何かを捨てて何かを得る連続だよ。